回転グリルがなくても家庭のオーブンで作れるレバノン風チキンシャワルマ。鶏もも肉をレモン・にんにく・クミン・コリアンダー・パプリカ・ターメリック・シナモン・オールスパイスに漬けて高温で焼き、細く切ってさらにカリッと焼き上げます。タヒニソースとピクルス、トマトを添えてピタパンに。
チキンシャワルマ(Shawarma、アラビア語で شاورما دجاج)は、スパイスに漬けた鶏肉を回転する串で焼き、薄く削ってピタパンにガーリックソースやピクルスと一緒に包む、レバノンの屋台料理の定番です。この家庭版では、高温のオーブンで同じ風味を再現します。骨なしの鶏もも肉をオリーブオイル、レモン、にんにく、そしてクミン・コリアンダー・パプリカ・ターメリック・シナモン・オールスパイスの香り豊かなスパイスに漬け込み、端が焦げるくらいまで焼いたら細く切って、天板でもう一度カリッと焼き上げます。10月に入って夜が冷え込んでくると、スパイスの香ばしい匂いがキッチンに広がるこの一皿が恋しくなります。手間は少ないのに4人分がしっかりまかなえます。
おいしく作るポイントは3つ。ひとつ目は、むね肉ではなくもも肉を使うこと。脂があるので高温で焼いてもしっとりしていて、シャワルマらしいカリカリのカラメル色の端ができます。ふたつ目は漬け時間。最低2時間、できれば一晩置くと、レモンと塩が肉の中心まで味を入れ、ヨーグルト(省略可ですがおすすめ)が肉をやわらかくします。三つ目は切ってからもう一度焼くこと。焼いたもも肉を薄切りにして熱い天板に戻し、数分焼くことで、ただのローストチキンが、ひと口ごとに焦げ目とカリッとした食感のあるシャワルマに変わります。
下記のスパイスの量はこのレシピちょうどですが、3倍量を混ぜて瓶に入れておくと便利です。カリフラワーやラムチョップ、ひよこ豆にふっても抜群に合います。ソースはここで紹介する簡単なタヒニソースのほか、レバノンのふわふわしたガーリックソース「トゥーム」があればそれでも。
材料
鶏肉と漬けだれ
- 鶏もも肉(皮なし・骨なし) 800g(大きな脂を取り除く)
- オリーブオイル 大さじ3
- プレーンヨーグルト(無糖・全脂) 大さじ3(省略可、入れるとよりやわらかく)
- レモン 1個(果汁約大さじ3、皮は半個分をすりおろす)
- にんにく 4片(すりおろすかみじん切り)
- クミンパウダー 小さじ2
- コリアンダーパウダー 小さじ2
- パプリカパウダー 小さじ2
- ターメリック 小さじ1
- シナモンパウダー 小さじ1/2
- オールスパイス 小さじ1/2
- 黒こしょう(粗びき) 小さじ1/2
- カイエンペッパー(または一味唐辛子) 小さじ1/4、好みで増やす
- 塩 小さじ1と1/2
- 玉ねぎ 1個(約200g、厚めのくし切り)
タヒニソース
- タヒニ(白ごまペースト) 大さじ4(約60g、よく混ぜてから使う)
- レモン汁 大さじ2
- にんにく 小1片(すりおろす)
- 冷水 60〜80ml
- 塩 小さじ1/4
仕上げ・添え物
- ピタパンまたは薄いフラットブレッド 4枚、またはごはん約600g
- トマト 2個(薄切り)
- きゅうりのピクルス、ピンク色のかぶのピクルス(あれば) 適量(薄切り)
- イタリアンパセリ ひとつかみ(ざく切り)
- トゥーム(レバノンのガーリックソース) あれば
作り方
- 漬けだれを作ります。大きめのボウルにオリーブオイル、ヨーグルト(使う場合)、レモン汁と皮、にんにく、クミン、コリアンダー、パプリカ、ターメリック、シナモン、オールスパイス、黒こしょう、カイエンペッパー、塩を入れ、れんが色のもったりしたペースト状になるまで混ぜます。
- 鶏もも肉を加え、手で肉のすき間までしっかりたれをもみ込みます。ラップをして冷蔵庫で最低2時間、できれば一晩(24時間まで)漬けます。焼く20分前に冷蔵庫から出しておきます。
- オーブンを220度に予熱し、大きめの天板にオーブンシートを敷きます。玉ねぎを天板全体に散らし、その上に鶏肉を1枚ずつ開いて重ならないように並べます。少しすき間をあけると、蒸れずに香ばしく焼けます。
- 25〜30分焼きます。端が濃い焼き色でカリッとし、玉ねぎがやわらかく色づき、いちばん厚い部分の中心温度が74度になれば焼き上がりです。もっと焦げ目をつけたいときは、最後の3分だけグリル(上火)モードに切り替え、目を離さないでください。
- 鶏肉を焼いている間にタヒニソースを作ります。小さなボウルにタヒニ、レモン汁、にんにく、塩を入れて混ぜると、一度ぼそぼそに固まります。あわてずに冷水を大さじ1ずつ加えながら混ぜ続けると、生クリームくらいのなめらかでとろりとしたソースになります。味をみて、レモンや塩で調えます。
- 焼けた鶏肉をまな板に移し、5分休ませます。繊維を断つように幅5mmほどの細切りにし、玉ねぎもざく切りにします。
- 切った鶏肉と玉ねぎを熱い天板に戻し、たまった肉汁にからめて広げ、オーブン(またはグリルモード)でさらに5〜8分焼きます。途中で一度混ぜ、細切りの端が茶色くカリッとしたら完成です。この2度焼きがシャワルマらしい食感の決め手です。
- その間にピタパンをオーブンの下段で2分温めるか、ガスの直火で片面数秒ずつあぶり、布巾で包んでやわらかく保ちます。
- 仕上げます。ピタパンの真ん中にタヒニソース(またはトゥーム)を大さじ1ほど塗り、鶏肉と玉ねぎをのせ、トマト、ピクルス、パセリを重ねてソースをもう少しかけ、きつく巻きます。ごはんの上に全部のせて、ソースを別添えにしても。
コツ・ポイント
- 休ませる、切る、もう一度焼く、の工程は省かないでください。早く切ると肉汁が流れ出てしまい、2度焼きをしないとおいしいローストチキンにはなりますが、シャワルマ特有のカリッと重なる食感になりません。
- 代用について:オールスパイスがなければシナモンを少し増やし、クローブパウダーをひとつまみ加えます。タヒニは日本のスーパーの練りごま(白・無糖)でそのまま代用でき、水とレモンを少し多めにしてのばすとちょうどよくなります。ギリシャ風のにんにくヨーグルトソース(ヨーグルト、すりおろしにんにく、レモン、塩)でもおいしいです。むね肉を使う場合は焼き時間を18〜20分に短縮し、厚めに切ってください。パプリカをスモークパプリカにすると、炭火焼きに近い風味が出ます。ピタパンがなければ、トルティーヤやナン、厚めに切ったバゲットでも。
- 日持ち・作り置き:漬けた生の鶏肉は冷蔵で24時間、冷凍で3か月保存できます(焼く前夜に冷蔵庫で解凍)。焼いたシャワルマは冷蔵で4日。温め直しは電子レンジだとやわらかくなってしまうので、熱したフライパンかグリルで数分焼き、端をもう一度カリッとさせるのがおすすめです。タヒニソースは冷蔵で1週間もちますが、置くと固くなるので水を少し足してのばしてください。
- 献立:本場の盛り合わせは、ピタパン、タヒニソースかトゥーム、かぶのピクルス、トマト、レモンをきかせたパセリと玉ねぎのサラダ、そして巻きの中にフライドポテトを入れるのが定番です。軽めにしたい日は、ごはんかブルグルの上に鶏肉をのせ、きゅうりとトマトの角切りサラダを添え、ソースをかけて丼風に。
- 辛めが好きなら、カイエンペッパーを倍にするか、漬けだれにハリッサや韓国の粗びき唐辛子を大さじ1加えます。辛さが苦手ならカイエンペッパーを抜いてもこのスパイスは香りが主役なので十分おいしくできます。
- おもてなしにも向きます。倍量にするときは天板を2枚使い、1枚に詰め込まず、焼き途中で上下を入れ替えてください。残ったシャワルマは雑穀サラダにのせたり、ピクルスと一緒にバゲットに詰めてお弁当にしても。
栄養情報
栄養情報は目安です:1人分あたり約520kcal、たんぱく質42g、脂質32g、炭水化物12g(鶏肉・玉ねぎ・タヒニソースの分で、ピタパンやごはんは含みません)。
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